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 メタボリックシンドローム(内蔵脂肪症候群)とは

 
メタボリックシンドローム(内蔵脂肪症候群)予防テキスト
 
はじめに
「未病」… 未だ病気ではない疾い(やまい):病気として症状が全くない状態
私たちの身体は『健康と病気は連続している』と言えます。

たとえ癌であっても早期癌は無症状であり、この状態が数年続くと言われています。

この時期に切除してしまえば癌は治癒してしまいます。この未病の疾いの代表が《メタボリックシンドローム》です。

《メタボリックシンドローム》は一度症状が出現すると、重篤な疾患を発症し、その疾患が治癒しても重大な後遺症を残し、その後の生活のレベルを大幅に低下させてしまいます。

このため我が国では「中年期以降の健康生活を確保する」を目的に、平成20年以降は《メタボリックシンドローム》の健診を法制化し、この健診を行っていない雇用主には罰則を科すことが決定しています。

転ばぬ先の杖 - 病気でないうちに疾いを退治しましょう。
 
富士いきいき病院健診・診療技術部
 
1メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは?
 
お腹の奥深く、内臓の周りにたまった脂肪(内臓脂肪)が原因で、高血圧・血液中の脂の成分(脂質)の異常・糖尿病やその予備軍となってしまう病気です。放置しておくと、もっと恐ろしい病気にかかる危険性が高いという「黄色信号」が点灯したことを意味します。日本における成人の有病者は1300万人と推測されています。
 
資料1:内臓脂肪
標準
肥満(内臓脂肪・皮下脂肪)
標準
肥満(内臓脂肪・皮下脂肪)
ウェスト周囲径  75.59 cm
皮下脂肪面積  57.09 c㎡
内臓脂肪面積  80.81 c㎡

ウェスト周囲径   97.49 cm
皮下脂肪面積  252.01 c㎡
内臓脂肪面積  139.92 c㎡

※ 青い部分:皮下脂肪、ピンクの部分:内臓脂肪
 
2メタボリックシンドロームの基準は
 
胴囲・耐糖能異常・脂質異常・高血圧の程度による、診断基準が定められています。実際は国によって診断基準は微妙に異なります。現在の日本の基準を資料2に示します。
 
資料2:日本のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準
 
日本のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準
 
3メタボリックシンドロームになると、どうなるの?
 
内臓脂肪がたまる・高血圧・血液中の脂質の異常・糖尿病やその予備軍は、単独でも動脈硬化を進めます。全く健康な人でも、年をとるに従って少しずつ動脈硬化は進みます。しかし、これらが重なると大変なスピードで動脈硬化が進みます。するとやがて動脈が詰まったり(心筋梗塞・脳血栓など)、破れたり(脳溢血など)します。
 
資料3:メタボリックシンドロームはなぜ重要か
 
メタボリックシンドロームはなぜ重要か
 
 
資料4:メタボリックシンドローム対策が有効と思われる3つの根拠
 
メタボリックシンドローム対策が有効と思われる3つの根拠
 
 
資料5:検診結果から今の自分の問題点を探してみましょう。(該当する欄に○で囲む)
 
検診結果から今の自分の問題点を探してみましょう。
 
 
4動脈が詰まる、あるいは破れるとどうなるの?
 
詰まった所・破れた所から先の組織には、酸素や栄養が届かなくなり、組織が死んで働かなくなってしまいます。心臓や脳が広い範囲で働かなくなると、命を落とします。部分的に働かなくなっても、身体が不自由になり、生活の質が大きく損なわれます。足の血管が詰まると、足を切断しなければならない場合もあります。
 
資料6:頸動脈内膜の厚さ
 
頸動脈内膜の厚さ

 

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