略名
|
日本語名
|
許容範囲
|
意 義
|
AST
|
トランスアミナーゼ
(旧呼称:GOT,GPT)
|
5~33IU/L
|
心臓や肝臓の細胞の中にある酵素で、病気で細胞が壊れると血液中に大量に出てきます。肝炎・肝硬変・脂肪肝・胆管炎・胆石症・心筋梗塞・溶血性疾患などで高値を示します。
|
3~40IU/L
|
ALP
|
アルカリホスファターゼ
|
110~320IU/L
|
肝臓・骨・小腸・胎盤の働きに関係があるとされている酵素で、肝臓や骨の病気・妊娠している時に上昇します。
|
LD
|
乳酸脱水素酵素
|
90~240IU/L
|
肝臓・腎臓・肺・心臓・筋肉・赤血球などに含まれる酵素で、病気などにより前述の臓器の細胞が壊れると血液中にLDが流れ出て値が上昇します。病気の状態や経過観察等に利用されます。
|
CK
|
クレアチンホスキナーゼ
|
20~190IU/L
|
筋肉・心筋・脳に含まれる酵素で筋肉・心臓などの病気で血中濃度が高くなります。また、激しい運動の後や日焼けなどによっても高値になる事があります。
|
GGT
|
γ-グルタミルトランス
ペプチダーゼ(γ-GTP)
|
10~66IU/L
|
特に飲酒によっても鋭敏に上昇する事がよく知られていますが、閉塞性黄疸や肝臓障害などで上昇します。
|
CHE
|
コリンエステラーゼ
|
185~431IU/L
|
肝臓で合成される酵素で、肝臓が障害を受けると低値になります。また、有機リン剤で活性が低下するので中毒の指標となります。
|
T-Bil
|
総ビリルビン
|
0.2~1.2mg/dl
|
黄疸の指標になります。
|
T・P
|
総蛋白
|
6.2~7.9g/dl
|
全身状態を判断する目的で検査されます。総蛋白濃度が低下している場合は比較的重症と判断されます。
|
ALB
|
アルブミン
|
3.7~5.2g/dl
|
栄養状態の指標になるので、一般状態の判断に利用される。また、A/G比をみる目的で検査されます。
|
A/G
|
アルブミン/グロブリン
|
1.1~1.9
|
A/G比から特定の疾患を推定することは出来ませんが、他の検査と組み合わせて病気の種類や状態を推測するために検査します。
|
Na
|
ナトリウム
|
135~147mmol/L
|
Naは体液の量や浸透圧の調節をします。欠乏すると脱水症、過剰になると浮腫(むくみ)の原因になります。
|
K
|
カリウム
|
3.3~4.8mmol/L
|
神経細胞が正常に働いたり、筋肉の収縮がうまくいくようにします。しかし、多すぎると重篤な不整脈を引き起こします。嘔吐・下痢などで低値を示します。腎不全などで高値になります。
|
Cl
|
クロール(塩素)
|
98~108mmol/L
|
身体のPH(ペーハー・酸塩基平衡)や浸透圧を調節する役割があります。水分の代謝異常(浮腫・嘔吐・下痢など)や酸塩基平衡異常の疑いがあるときに検査します。
|
BUN
|
尿素窒素
|
6~20mg/dl
|
食物、特にたんぱく質の最終産物(老廃物)で腎の働きが悪くなったときに増加します。また、火傷や高熱・大量のたんぱく質を摂取したときも増えることがあります。
|
CRE
|
クレアチニン
|
男 0.5~1.2mg/dl
女 0.4~0.9mg/dl
|
筋肉が活動したときに出来る物質で、腎臓から排泄されます。一日に作られる量はほぼ一定です。このため、腎機能の判定に利用されます。腎臓の機能が低下すると血液中に増えてきます。
|
e-GFR
|
推算糸球体濾過量
|
90/ml/min/1.75↑
|
慢性腎臓病(CKD)は、その重症度に応じて、5段階に分けられています。その指標です。腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示し、値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。
|
UA
|
尿酸
|
男 3.0~7.3mg/dl
女 2.5~6.5mg/dl
|
肉・豆・貝などたんぱく質が豊富な食物はプリン体が多く含まれています。このプリン体から核酸が作られ、尿酸になります。尿酸が増えすぎると関節に沈着し、痛風の原因になります。
|
T・CHO
|
総コレステロール
|
120~220mg/dl
|
コレステロールは細胞壁の重要な成分です。また、各種のホルモンの原料になります。しかし、血液中に多くなりすぎると動脈硬化の原因になります。家族性に高い場合やネフローゼ症候群でも高くなります。
|
HDL-C
|
HDLコレステロール
|
男 35 ~ 70mg/dl
女 35 ~ 90mg/dl
|
一般的には善玉コレステロールと呼ばれている。末梢の組織からコレステロールを取り除く働きをします。低HDLコレステロール血症は虚血性心疾患や脳血管障害など動脈硬化性疾患の危険因子とされています。
|
LDL-C
|
LDLコレステロール
|
140mg/dl以下
|
一般的には悪玉コレステロールと呼ばれている。血製リポ蛋白の中で動脈硬化促進作用が強く、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞など)の重要な危険因子として知られています。
|
T-G
|
中性脂肪
|
30~160mg/dl
|
食物として摂取される脂肪の大部分は中性脂肪で、エネルギー源になります。動脈硬化の因子としても注目されています。糖尿病・肥満など糖・脂質代謝異常を起こす疾患で診断や治療の経過判定に利用されます。
|
AMY
|
アミラーゼ
|
45~120IU/L
|
でん粉やグリコーゲンなどを分解する酵素で、膵臓や唾液腺で作られます。膵臓・唾液腺などに炎症があるとその臓器の細胞が壊れて、血液中にAMYが流れ出て高値になります。
|
NH3
|
血中アンモニア
|
12~66μg/dl
|
NH3はアミノ酸の代謝産物で肝臓で尿素に合成され、腎臓から体外に排泄されます。肝臓の解毒機能が低下すると血中アンモニアは増加します。肝機能の重症度を推測したり、肝性昏睡時の病態把握にも利用されます。
|
CRP
|
C反応性蛋白
|
0.5mg/dl以下
|
生体内に組織の壊死などの障害がある時に、炎症反応の1つとしてCRPが速やかに上昇します。また、炎症の沈静化に伴い消失します。感染症・腫瘍・外傷・虚血・自己免疫疾患などあらゆる炎症や組織障害の存在と程度を推測するための検査です。
|
Glu
|
空腹時血糖
|
70~110mg/dl
|
生体の重要なエネルギー源でインスリンなど各種ホルモンにより調節され、血液中の濃度はほぼ一定に保たれています。しかし、調節因子の機能に支障をきたすと血糖値は異常になります。糖尿病・甲状腺機能亢進症などで高値を示します。インスリン分泌過剰・副腎機能不全・肝硬変・悪性腫瘍の一部などで低値になります。
|
A1C
|
グリコヘモグロビンA1C
|
4.3~5.8%
|
ヘモグロビンとグルコース(血糖)が結合したもので,生成量はグルコースの濃度に比例します。赤血球の体内での寿命は120日間なので2ヶ月間の血液中のグルコース濃度の平均を表します。糖尿病で高値を示します。溶血性貧血や出血などで低値になります。
|