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 院内で実施している検査の略語・意義の早見一覧

臨床検査科
 
 
院内で実施している検査の略語・意義の早見一覧
 
はじめに
 
尿や血液中の物質―― 糖などのエネルギー源、脂質、尿素窒素や尿酸などの老廃物、電解質、酵素、ホルモン、免疫などに係る各種のたんぱく質、細胞成分 ――の量は病気や身体の調子や状態に応じて刻々と変化します。臨床検査はこの種々の物質を測定することにより『病気の早期発見』、『身体の各部分の働き具合』、『病気の改善状況や進行状況の確認』、『治療効果の測定』などに役立てる目的で行われています。

当院では臨床検査の結果が必要な方には、ご本人の求めに応じお渡ししております。多くの疾患の診断は複数の検査項目を組み合わせて行われるものですので、測定結果を自己流に判断せず、主治医の指導のもとにご活用ください。 
 
生化学検査
 
略名
日本語名
許容範囲
意 義
AST
トランスアミナーゼ
(旧呼称:GOT,GPT)
5~33IU/L
心臓や肝臓の細胞の中にある酵素で、病気で細胞が壊れると血液中に大量に出てきます。肝炎・肝硬変・脂肪肝・胆管炎・胆石症・心筋梗塞・溶血性疾患などで高値を示します。
3~40IU/L
ALP
アルカリホスファターゼ
110~320IU/L
肝臓・骨・小腸・胎盤の働きに関係があるとされている酵素で、肝臓や骨の病気・妊娠している時に上昇します。
LD
乳酸脱水素酵素
90~240IU/L
肝臓・腎臓・肺・心臓・筋肉・赤血球などに含まれる酵素で、病気などにより前述の臓器の細胞が壊れると血液中にLDが流れ出て値が上昇します。病気の状態や経過観察等に利用されます。
CK
クレアチンホスキナーゼ
20~190IU/L
筋肉・心筋・脳に含まれる酵素で筋肉・心臓などの病気で血中濃度が高くなります。また、激しい運動の後や日焼けなどによっても高値になる事があります。
GGT
γ-グルタミルトランス
ペプチダーゼ(γ-GTP)
10~66IU/L
特に飲酒によっても鋭敏に上昇する事がよく知られていますが、閉塞性黄疸や肝臓障害などで上昇します。
CHE
コリンエステラーゼ
185~431IU/L
肝臓で合成される酵素で、肝臓が障害を受けると低値になります。また、有機リン剤で活性が低下するので中毒の指標となります。
T-Bil
総ビリルビン
0.2~1.2mg/dl
黄疸の指標になります。
T・P
総蛋白
6.2~7.9g/dl
全身状態を判断する目的で検査されます。総蛋白濃度が低下している場合は比較的重症と判断されます。
ALB
アルブミン
3.7~5.2g/dl
栄養状態の指標になるので、一般状態の判断に利用される。また、A/G比をみる目的で検査されます。
A/G
アルブミン/グロブリン
1.1~1.9
A/G比から特定の疾患を推定することは出来ませんが、他の検査と組み合わせて病気の種類や状態を推測するために検査します。
Na
ナトリウム
135~147mmol/L
Naは体液の量や浸透圧の調節をします。欠乏すると脱水症、過剰になると浮腫(むくみ)の原因になります。
カリウム
3.3~4.8mmol/L
神経細胞が正常に働いたり、筋肉の収縮がうまくいくようにします。しかし、多すぎると重篤な不整脈を引き起こします。嘔吐・下痢などで低値を示します。腎不全などで高値になります。
Cl
クロール(塩素)
98~108mmol/L
身体のPH(ペーハー・酸塩基平衡)や浸透圧を調節する役割があります。水分の代謝異常(浮腫・嘔吐・下痢など)や酸塩基平衡異常の疑いがあるときに検査します。
BUN
尿素窒素
6~20mg/dl
食物、特にたんぱく質の最終産物(老廃物)で腎の働きが悪くなったときに増加します。また、火傷や高熱・大量のたんぱく質を摂取したときも増えることがあります。
CRE
クレアチニン
男 0.5~1.2mg/dl
女 0.4~0.9mg/dl
筋肉が活動したときに出来る物質で、腎臓から排泄されます。一日に作られる量はほぼ一定です。このため、腎機能の判定に利用されます。腎臓の機能が低下すると血液中に増えてきます。
e-GFR
推算糸球体濾過量
90/ml/min/1.75↑
慢性腎臓病(CKD)は、その重症度に応じて、5段階に分けられています。その指標です。腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示し、値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。
UA
尿酸
男 3.0~7.3mg/dl
女 2.5~6.5mg/dl
肉・豆・貝などたんぱく質が豊富な食物はプリン体が多く含まれています。このプリン体から核酸が作られ、尿酸になります。尿酸が増えすぎると関節に沈着し、痛風の原因になります。
T・CHO
総コレステロール
120~220mg/dl
コレステロールは細胞壁の重要な成分です。また、各種のホルモンの原料になります。しかし、血液中に多くなりすぎると動脈硬化の原因になります。家族性に高い場合やネフローゼ症候群でも高くなります。
HDL-C
HDLコレステロール
男 35 ~ 70mg/dl
女 35 ~ 90mg/dl
一般的には善玉コレステロールと呼ばれている。末梢の組織からコレステロールを取り除く働きをします。低HDLコレステロール血症は虚血性心疾患や脳血管障害など動脈硬化性疾患の危険因子とされています。
LDL-C
LDLコレステロール
140mg/dl以下
一般的には悪玉コレステロールと呼ばれている。血製リポ蛋白の中で動脈硬化促進作用が強く、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞など)の重要な危険因子として知られています。
T-G
中性脂肪
30~160mg/dl
食物として摂取される脂肪の大部分は中性脂肪で、エネルギー源になります。動脈硬化の因子としても注目されています。糖尿病・肥満など糖・脂質代謝異常を起こす疾患で診断や治療の経過判定に利用されます。
AMY
アミラーゼ
45~120IU/L
でん粉やグリコーゲンなどを分解する酵素で、膵臓や唾液腺で作られます。膵臓・唾液腺などに炎症があるとその臓器の細胞が壊れて、血液中にAMYが流れ出て高値になります。
NH3
血中アンモニア
12~66μg/dl
NH3はアミノ酸の代謝産物で肝臓で尿素に合成され、腎臓から体外に排泄されます。肝臓の解毒機能が低下すると血中アンモニアは増加します。肝機能の重症度を推測したり、肝性昏睡時の病態把握にも利用されます。
CRP
C反応性蛋白
0.5mg/dl以下
生体内に組織の壊死などの障害がある時に、炎症反応の1つとしてCRPが速やかに上昇します。また、炎症の沈静化に伴い消失します。感染症・腫瘍・外傷・虚血・自己免疫疾患などあらゆる炎症や組織障害の存在と程度を推測するための検査です。
Glu
空腹時血糖
70~110mg/dl
生体の重要なエネルギー源でインスリンなど各種ホルモンにより調節され、血液中の濃度はほぼ一定に保たれています。しかし、調節因子の機能に支障をきたすと血糖値は異常になります。糖尿病・甲状腺機能亢進症などで高値を示します。インスリン分泌過剰・副腎機能不全・肝硬変・悪性腫瘍の一部などで低値になります。
A1C
グリコヘモグロビンA1C
4.3~5.8%
ヘモグロビンとグルコース(血糖)が結合したもので,生成量はグルコースの濃度に比例します。赤血球の体内での寿命は120日間なので2ヶ月間の血液中のグルコース濃度の平均を表します。糖尿病で高値を示します。溶血性貧血や出血などで低値になります。
 
 
血液学検査
略名
日本語名
許容範囲
意 義
WBC
白血球数
4.5~8.5×10※/μl
(※3乗)
白血球は好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球などに分類され,貪食能,殺菌能,免疫機能などを持った細胞群からなっています。急性感染症・慢性白血病などで高値を示します。薬物・再生不良性貧血・悪性貧血・放射線照射などで低値を示します。
RBC
赤血球数
男 4.20~5.50×10※/μl
女3.80~5.00×10※/μl
(※6乗)
酸素や二酸化炭素の運搬や血漿のPHの調節に関与しています。脱水・真性赤血球増加症・慢性肺疾患・新生児・高地住居者などで赤血球数が増加します。各種貧血で赤血球数は減少します。
Hgb
血色素量(ヘモグロビン)
男 14.0~18.0g/dl
女 12.0~16.0g/dl
赤血球が赤いのは血色素の色で、この血色素が血液100mlに何グラム含まれているかを調べる検査です。異常値を呈する疾患は赤血球とほぼ同じで、貧血の分類に役立ちます。
Hct
ヘマトクリット
男 40~54%
女 36~48%
全血液中に占める赤血球容積の割合。血色素量と同様に貧血の程度を知る上で役立ちます。意義に付いても赤血球数とほぼ同じです。
PLT
血小板数
120~350×10※/μl
(※3乗)
血小板は止血に関与し、その数や機能の異常は出血や血栓の原因になります。慢性骨髄性白血病・本態性血小板血症・出血・鉄欠乏性貧血・感染症・炎症・悪性腫瘍等で増加し、再生不良性貧血・急性白血病・特発性血小板減少性紫斑病・播種性血管内凝固症候群・栓性血小板減少性紫斑病等で減少します。
Neut
好中球
Stab:桿状核球 
Seg :分葉核球
などに分類されます。
30~80%
感染などの炎症性の変化に際して速やかに対応する働きをします。肺炎・髄膜炎・骨髄性白血病・尿毒症・心筋梗塞・脳出血・手術後・火傷などで増加します。敗血症・インフルエンザ・風疹・再生不良性貧血・悪性貧血・抗がん剤投与・放射線照射などで減少します。
Lymph
リンパ球
20~59%
Tリンパ球とBリンパ球の2種類に分けられます。Tリンパ球は細胞免疫に、Bリンパ球は体液性免疫に関係します。細菌やウィルスが体内に侵入を防ぐ働きもします。百日ぜき・伝染性単核症・リンパ性白血病・バセドウ病などで増加します。
Mono
単球
0~12%
体内の免疫に関係する働きをします。マラリア・結核・梅毒・心内膜炎などで増加します。
Eosi
好酸球
0~ 8%
特にアレルギー反応に関係します。気管支喘息・蕁麻疹・寄生虫・慢性骨髄性白血病などで増加をします。
Baso
好塩基球
0~ 3%
炎症・血液凝固に関係します。慢性骨髄性白血病・ある種の薬剤,抗血清注射などの場合に増加します。
PT
プロトロンビン
80~100%
APTTと併用し凝固因子異常の一次スクリーニングとして利用される。血友病、ビタミンK欠乏、肝障害、DICなどで活性が下がる。ワルファリンを投与し血液をさらさらにする治療の効果判定にも利用される。
APTT
活性化部分
トロンボプラスチン時間
25~35秒
止血に関与する蛋白で、血友病・慢性肝炎・肝硬変・ワルファリン服用・ビタミンK欠乏・DICなどで凝固時間が延長する。
 
 
尿検査
 
 
日本語名
許容範囲
意 義
尿
蛋白定性
(-)
腎実質疾患や尿路系疾患のスクリーニング゙,診断,治療経過判定に役立ちます。慢性糸球体腎炎・ネフローゼ゙症候群・腎盂腎炎・心不全・発熱・過労等で陽性になります。
糖定性
(-)
普通、ブドウ糖は尿中には出てきません。糖尿病などで血糖値が高くなり腎臓の処理能力の限界を超えると排泄されます。糖尿病・バセドウシ病・膵疾患・肝硬変・脳腫瘍・腎性糖尿などで陽性になります。
ウロビリノーゲン
(±)
肝・胆道系障害のスクリーニング,診断,治療経過の判定に有用で、溶血性貧血・肝炎などで増加します。閉塞性黄疸・下痢・腎不全で陰性を示します。
ビリルビン
(-)
肝・胆道系障害のスクリーニング,診断,治療経過の判定に有用です。肝細胞性黄疸・肝内胆汁うっ滞・閉塞性黄疸などで陽性を呈します。
PH
4.5~8.0
生体の内部環境を一定に保つ調節機能をみます。尿路感染症・過呼吸・嘔吐などで高値になり、発熱・脱水・飢餓・腎炎・糖尿病などで低値になります。
潜血
(-)
尿に赤血球が混じっているかどうかを調べる検査です。急性・慢性糸球体腎炎・腎盂腎炎・糖尿病性腎炎・腎結石・尿路結石・尿道腫瘍・前立腺腫瘍・膀胱炎・膀胱腫瘍などで陽性になります。
ケトン体
(-)
正常に糖代謝の機能しないと、エネルギー源が脂質で代行され、ケトン体が異常に増え、尿に排泄されます。重症糖尿病・飢餓状態・嘔吐・下痢・妊娠悪阻・過剰脂肪食などで陽性を呈します。
色調
麦黄色~琥珀色
尿色調は食物・運動・発汗などの影響を受けるが、水様透明・黄褐色・赤色・暗褐色・乳白色のときは注意が必要です。
混濁
澄明
リン酸・尿酸・炭酸など結晶により混濁することがあります。病的には血球・上皮細胞・粘液・細菌・特殊タンパクなどにより混濁が起こります。
 
 
便潜血・感染症検査
 
日本語名
許容範囲
意 義
便潜血検査
(-)
潰瘍や腫瘍があるとその部位から出血が生じ易くなります。食道・胃・小腸・大腸等の消化器官からの出血の有無を調べます。歯茎からの出血でも陽性になります。
マイコプラズマ抗体検査
(-)
微生物に感染すると、生体防御反応の1つに抗体産生があります。マイコプラズマに感染しても同様の反応が起こります。しかし、感染直後で検査に十分な抗体産生されないとウインドピリオッドといって偽陰性になる場合があります。
インフルエンザA・B抗原
(-)
 
尿中レジオネラ抗原検査
(-)
レジオネラ菌に感染すると、菌体の一部(抗原)が尿に排泄されます。これに由来する物質が尿から検出されるとレジオネラ菌に感染している証明になります。
尿中肺炎球菌莢膜抗原検査
(-)
肺炎球菌に感染すると、菌の莢膜の一部(抗原)が尿に排泄されます。これに由来する物質が尿から検出されると肺炎球菌に感染している証明になります。
鏡検/一般細菌
(-)
生体から採取した検体(血液・尿・膿・痰・褥瘡など)をスライドグラスに塗布し、グラム染色を施します。顕微鏡で菌の有無、形態、染色性を鑑定し、菌の種類を大別します。例;グラム陰性桿菌なら腸内細菌、グラム陽性球菌ならブドウ球菌などの化膿菌、カンジダなど大まかな菌種が推定できます。
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臨床検査科

放射線科

 

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Information

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